南仏プロヴァンスの夏の思い出

6月の終わりから7月にかけて、プロヴァンスでは、ラヴェンダーの花で埋め尽くされる。

南仏プロヴァンスにある、アロマテラピー研究家の自宅(当時)に滞在させていただきながら、私は先生の身の回りのお世話から、美術館の営業、ブレンディングのサポート、生産者を訪れることなどを一緒にやらせてもらっていました。

プロヴァンスがえも言われぬ美しい季節、それがまさにこの季節で、あらゆる畑、空き地にも花が咲き乱れ、木々にはフルーツが鈴なりになる。

この土地で採れるものならば、どこで何を食べても美味しい、それくらい土地と人が生み出す植物や食物に感謝していました。

ある日ラヴェンダーの生産者を訪れた時、ちょうど大きなトラックいっぱいに積まれたラヴェンダーが入ってきました。

トラックから香ってくるラヴェンダーの花の匂いは、想像しただけでも夢のようです。そのラヴェンダーたちは、刈りたてではなくて、すでに数日乾燥をしてあったもので、ちょうどこれから蒸留されるところでした。

この季節にプロヴァンスを車で走っていると、ラヴェンダーに積まれたトラックを見かけます。高い煙突からもくもくと煙が出ていたら、そこはきっと蒸留所。

フレンチラヴェンダーの香りを嗅ぐと、美しいプロヴァンスの夏の風景の思い出が目を閉じればいつでも脳裏に浮かびます。

CHICO SHIGETA